カンジダ症とは
カンジダ症は、カンジダという真菌(カビの一種)によって引き起こされる感染症です。カンジダは健康な人の皮膚や口腔、便、膣などに常在している菌で、通常は害を及ぼしません。
しかし、体の抵抗力が低下したり、皮膚のバリア機能が損なわれたりすると、カンジダが異常に増殖して症状を引き起こします。高温多湿な環境や、皮膚が擦れやすい部位に発症しやすいのが特徴です。
乳幼児から高齢者まで幅広い年齢層で発症し、特に免疫力が低下している方や糖尿病の方に多く見られます。適切な治療により改善が期待できる疾患です。
カンジダ症の原因は?
うつる?
カンジダ症は、粘膜や皮膚に常在するカンジダ菌が異常増殖することで発症します。
発症の要因として、抗生物質の長期使用により常在菌のバランスが崩れること、免疫力の低下、糖尿病、妊娠、肥満、多汗などがあります。また、おむつの使用や密着した衣類の着用により、高温多湿な環境が作られることも原因となります。
カンジダ症を発症している方との性行為により感染する可能性があります。ただし、基本的にお風呂などで他人にうつることはありません。しかし、タオルを共用で使用するとカンジダ菌がうつる恐れがあるため、治療中は家族が使用するものと自分が使用するものを別にしておくことが大切です。
通常の生活での接触では感染リスクは低く、過度に心配する必要はありません。
カンジダ症の症状
- 皮膚の赤みやただれ
- 白いカスのようなものが付着
- かゆみや痛み
- じくじくとした湿った状態
- 皮膚の亀裂や小さな水疱
症状は発症部位により異なりますが、共通して赤みを伴い、境界が比較的はっきりした病変として現れます。特に皮膚のひだの部分や湿りやすい場所に症状が出やすいのが特徴です。
症状が進行すると、周辺に小さな膿疱が散在したり、皮膚がめくれたりすることもあります。
カンジダ症の種類
カンジダ皮膚炎
皮膚の表面にカンジダが感染した状態で、脇の下、股部、乳房の下など、皮膚と皮膚が接触する部位に好発します。赤みとかゆみを伴い、白いカスのようなものが付着することが特徴です。
口腔咽頭カンジダ症
口の中や喉にカンジダが感染した状態です。舌や頬の内側に白い苔のようなものが付着し、痛みを伴うことがあります。食事が困難になることもあり、特に免疫力が低下している方に見られます。
外陰・腟カンジダ症
女性の外陰部や腟に発症するカンジダ症です。強いかゆみ、白いカッテージチーズ状のおりもの、排尿時の痛みなどが主な症状です。妊娠中に発症しやすくなります。
カンジダ症の治療
カンジダ症の治療は、症状の部位や程度に応じて行われますが、カンジダ性皮膚炎の場合は抗真菌薬の外用薬を使用することがほとんどです。
カンジダ皮膚炎
抗真菌薬の外用薬を1日1回患部に塗布します。イミダゾール系やアリルアミン系の抗真菌薬が用いられ、通常2~4週間の治療で改善が見られます。患部を清潔に保ち、乾燥させることも重要で、通気性の良い衣類を着用することが推奨されます。重症例では抗真菌薬の内服を併用することもあります。
カンジダ症は自然治癒する?
カンジダ症が自然治癒することは稀で、多くの場合は適切な治療が必要です。
軽症の場合、体調が回復し免疫力が改善すると症状が軽減することもありますが、完全に治癒することは困難です。放置すると症状が慢性化したり、他の部位に広がったりする可能性があります。
特に糖尿病の方や免疫力が低下している方は、自然治癒は期待できません。早期に適切な治療を受けることで、症状の改善と再発予防が可能になるため、症状に気づいたら、早めに医療機関を受診することをおすすめします。






