爪下血腫
(爪が黒い・黒い線)

爪下血腫とは

爪下血腫とは爪下血腫(そうかけっしゅ)は、爪の下に血液が溜まって暗紫色や黒色に変色した状態を指します。外傷により爪床の血管が損傷し、爪と爪床の間に血液が貯留することで発生します。扉に指を挟んだり、金槌で指を叩いたり、重い物を足の上に落としたりした際に生じることが多く、強い痛みを伴うのが特徴です。
爪全体が黒くなることもあれば、一部分のみが変色することもあります。スポーツ選手やランナーに多く見られ、繰り返しの衝撃により徐々に血液が溜まることもあります。見た目の変化が著しいため不安に感じる方が多いですが、多くの場合は適切な処置により改善します。

爪下血腫の原因

爪下血腫の原因爪下血腫の主な原因は、爪への直接的な外傷です。
重いものを指に落としたり、運動などで爪先を強く打ったりすることが最も一般的な原因です。また、合わない靴を履いていることで、長時間にわたり爪に圧力がかかり続けることでも発生します。
ランニングやサッカーなどのスポーツでは、つま先が靴の中で繰り返し衝撃を受けることで、徐々に爪の下に血液が溜まることもあります。特に下り坂を走る際や、急な方向転換を行うスポーツで起こりやすくなります。

爪下血腫を放置すると?

血液が大量に溜まっている場合、溜まった血の圧力により爪が剥がれ落ちることがあります。また骨折を合併していることもあるので要注意です。爪の根元が傷つくことで爪の変形につながることもあります。

爪下血腫の治し方

軽症の場合は特に治療の必要はありません。痛みがある場合は、医療機関で爪に小さな穴を開けて血液を排出する処置を行うことがあります。
新しい爪が完全に生え変わるまでには半年から1年程度かかります。足の爪は手の爪よりも成長が遅いため、爪下血腫がなくなるまで1~2年かかることもあります。

爪下血腫は自然治癒する?

小さな爪下血腫は、多くの場合自然治癒します。痛みが軽度の場合は、特別な治療を行わなくても自然に消えていきます。
ただし、血腫が大きい場合や痛みが強い場合は、医療機関の受診をおすすめします。特に指先が腫れている時は骨折している可能性もあるので要注意です。

爪下血腫の痛みを
和らげる方法

爪下血腫による痛みを軽減するために、以下の方法が有効です。

冷やす

受傷後すぐに氷や保冷剤で患部を冷やします。10~20分間、1日3回以上冷却します。冷却により血管が収縮し、出血と腫れを最小限に抑えることができます。

挙上

患部を心臓より高い位置に保つことで、血流を減少させ腫れを軽減します。横になって足を枕の上に置くなどの工夫が効果的です。

安静にする

患部に負担をかけないよう安静を保ち、きつい靴の着用は避けます。

鎮痛薬の使用

市販の鎮痛薬を用法・用量を守って使用することで、痛みを和らげることができます。

温める

受傷後48~72時間以上が経過しており、腫れが引いている場合は患部を温めることで痛みが改善される場合があります。1回15分程度、1日3回程度温めると良いでしょう。患部の腫れが引く前に温めると血流が増し、腫れが悪化するため避けましょう。