稗粒腫・汗管腫
(目の周りのぶつぶつ)

稗粒腫・汗管腫とは

稗粒腫

稗粒腫(はいりゅうしゅ)は、皮膚の表面にできる1~2mm程度の白色または黄白色の小さな粒状の隆起です。毛穴に角質が詰まってできる良性の腫瘍で、目の周りや頬、額などに好発します。
見た目は白ニキビに似ていますが、炎症を伴わない点が特徴です。新生児から高齢者まで幅広い年齢層に見られますが、代謝が低下した中高年や皮膚が敏感な方にできやすい傾向があります。

汗管腫

汗管腫(かんかんしゅ)は、目の周りにできやすい良性腫瘍です。肌に近い色から黄色の1~3mm程度の小さなぶつぶつとして現れます。
思春期以降の女性に多く見られ、年齢とともに数が増えたり、大きくなったりする傾向があります。かゆみや痛みなどの自覚症状はありません。

稗粒腫・汗管腫の原因は?

原因はいずれもはっきりとは分かっていませんが、稗粒腫は毛穴の詰まり、汗管腫は汗管(エクリン汗腺)の肥大化によって起こるという違いがあります。

稗粒腫

肌の新陳代謝(ターンオーバー)の乱れや加齢による角質の蓄積、摩擦などの刺激が関与すると考えられています。皮脂腺から分泌される皮脂や古い角質が毛穴に詰まることで形成されます。体質的な要因もあり、できやすい人とできにくい人がいると考えられています。

汗管腫

真皮内でエクリン汗腺の導管部分が過剰に増殖することが、主な発生要因と考えられています。
遺伝的な要因やホルモンの影響も示唆されており、家族内で発症することもあります。

稗粒腫・汗管腫の違い

稗粒腫と汗管腫は見た目が似ていますが、いくつかの違いがあります。

  稗粒腫 汗管腫
特徴 白色~黄白色の粒状の隆起 肌に近い色~黄色の小さなぶつぶつ
できやすい
部位
目の周り、頬、額 主に下まぶた
単発または数個 多発性
(左右対称)

稗粒腫・汗管腫は自然治癒する?放置してもよい?

稗粒腫も汗管腫も良性の腫瘍であり、健康への影響はありません。そのため、見た目が気にならなければ放置しても問題ありません。
稗粒腫は稀に自然に内容物が排出されて消失することもありますが、多くの場合は自然治癒しません。汗管腫も自然に消えることはほとんどなく、むしろ年齢とともに数が増えたり大きくなったりする場合があります。
ただし、急激に数が増えたり、大きくなったりする場合は、他の疾患の可能性もあるため、皮膚科を受診することをおすすめします。

稗粒腫・汗管腫の治し方【保険適用と保険適用外の治療】

稗粒腫の治療については保険適用のものとそうでないものがあります。汗管腫は自費診療となります。

稗粒腫の場合

保険適用の治療として、針で小さな穴を開けて内容物を圧出する方法があります。簡単な処置で、痕もほとんど残りません。
保険適用外では、炭酸ガスレーザーによる治療があります。より確実に除去でき、再発の可能性も低い方法です。

汗管腫の場合

汗管腫は保険適用の治療法がないため、自費診療となります。
炭酸ガスレーザーで1つずつ焼灼する方法が一般的です。局所麻酔を使用し、痛みを抑えながら治療を行います。ただし、完全に除去することは難しく、再発することもあります。
その他、外科的切除や電気焼灼などで改善を図る方法もあります。治療法の選択は、症状の程度や患者様の希望に応じて決定します。