ジベルばら色粃糠疹

ジベルばら色粃糠疹とは

ジベルばら色粃糠疹とはジベルばら色粃糠疹(ジベルばらいろひこうしん)は、体幹部を中心に楕円形の赤い発疹が多数現れる皮膚疾患です。10代から30代の比較的若い世代に多く発症し、春と秋に患者が増える傾向があります。
最初に1~3cm程度の大きな紅斑(ヘラルドパッチ)が1つ現れ、1~2週間後に体幹部を中心に小さな発疹が多数広がることが特徴的です。発疹の配列がクリスマスツリーのような模様を描くことから、クリスマスツリー様分布と呼ばれます。
症状は通常4~8週間で自然に消失することが多く、一度かかると再発することは稀です。見た目の変化は目立ちますが、健康への重大な影響はなく、後遺症を残すこともほとんどありません。

ジベルばら色粃糠疹の
原因は?うつる?

ジベルばら色粃糠疹の明確な原因はまだ解明されておらず、ウイルス感染が関与している可能性が指摘されていますが、人から人に感染する病気ではありません。

ウイルス感染

ヒトヘルペスウイルス6型、7型などのウイルス感染後に発症することがあるという報告があり、何らかのウイルスが誘因となっている可能性が考えられています。ただし、ウイルスそのものによる症状というよりは、ウイルスに免疫が反応した際に生じる疾患だと考えられており、人にうつることはありません。

季節的要因

春と秋に患者が増加する傾向があり、季節の変わり目の体調変化や免疫力の低下が発症に関連している可能性があります。

疲れやストレス

疲労やストレス、体調不良などによって免疫が低下している時に発症しやすいことが分かっています。

ジベルばら色粃糠疹の症状

  • 最初に体幹部に1~3cmの大きな赤い紅斑(ヘラルドパッチ)が1つ現れる
  • 1~2週間後に胸や背中、お腹に小さな楕円形の発疹が多数出現する
  • 発疹が背中で左右対称に、クリスマスツリーのような模様を描く
  • ヘラルドパッチの周辺に細かい鱗屑(皮膚の薄いかさつき)が見られる
  • 軽度のかゆみを伴うことがある

発疹は主に体幹部に現れ、顔面や手足の先端には出現しにくいという特徴があります。かゆみの程度には個人差があり、全くかゆみを感じない方から、軽度のかゆみを訴える方までさまざまです。発熱や全身倦怠感などの全身症状を伴うことは稀です。

ジベルばら色粃糠疹を
早く治す方法は?
治療法について

ジベルばら色粃糠疹は自然治癒が期待できる疾患であり、多くの場合は特別な治療を必要としません。

かゆみがある場合には、抗ヒスタミン薬の内服により症状を和らげることができます。炎症やかゆみが強い部分にはステロイド外用薬を使用し、症状の軽減を図ります。

これらの治療により症状の改善や治癒期間の短縮が期待できます。基本的には4~8週間程度で自然に軽快することが多い疾患です。症状の程度に応じて適切な治療法を選択し、患者様の負担を軽減しながら経過を観察していきます。